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レポート 「タイ人から見た日本と日本人」
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 2008年タイ労働省職業斡旋局から表彰されました


レポート 「タイ人から見た日本と日本人」
近年顕著となりつつあるグローバル化に伴い、海外で生活する日本人が年々増えているように、日本で生活する外国人も増加しています。なかでもタイは日本国内で7番目に外国人登録者が多い国であり、日系在留者が急増したブラジル、ペルーを除くと一番高い伸び率を示しています。

外国人の目で外から見たタイと、タイ人と共に働いてみて始めて浮きぼりになるタイ人気質や日本人気質との違いには、歴史や気候、それを囲むさまざまな環境により大きな格差があります。その違いを理解し、融合させていくのには時間がかかり、また、お互いに近づこうとすることが必要になってきます。「日本人から見たタイとタイ人」の姿はメディアや資料、日本人同士の話や実体験によりある程度見えてきますが、その逆はどうでしょうか。日本人がタイ人を雇用するという状況の中で、それを知ることは難しいものです。

当社では、昨年末から今年の始めにかけて、日本に滞在経験のあるタイ人の協力を得て、「タイ人から見た日本と日本人」の姿をアンケート調査の実施から捉えてみることにしました。今回のアンケート調査が相互理解の手助けになれば、と私ども、パーソネルコンサルタントは望みます。

アンケート調査
対象者の属性 【表1】
来日前の生活 【表2】
日本での生活 【表3】
日本での経済状況 【表4】
日本での問題 【表5】
帰国後の生活 【表6】
日本に対する評価 【表7】


調査対象
調査対象は元留学生及び研修生であり、一年以上の滞在を条件としています。
【表1】対象者の属性
表1は対象者の属性をまとめたもので、性別はほぼ半々、年齢別では20代後半から30代前半が回答者全体の半数以上(130人)を占めています。既婚者は全体の29%(67人)で、年齢の割に未婚者が多いのが特徴です。配偶者はほとんど同国人ですが、日本人の配偶者を持つ人も4人います。

アンケート調査結果 「タイ人から見た日本と日本人」
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【表2】来日前の生活
表2は来日前の生活をまとめたもので、バンコク出身者が圧倒的に多く、71%(164人)を占め、裕福な家庭や中流以上の家庭の出身です。出身家庭の職業で多いのは「自営(商人)」で、次に「公務員」「企業家・事業家・政治家」と続いています。来日前の職業は55%が学生で、「大学卒」が半数以上、次に多いのが「高卒」です。社会人には会社員、公務員が多いという結果が出ています。来日前の月収を範囲で分けると「5千バーツから1万バーツ未満」の人が36人で最も多くなっています。

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【表3】日本での生活
表3は日本での基本情報をまとめたもので、滞在期間は「2~3年」が77人で最も多く、回答者を4年未満と4年以上に分けるとほぼ半々になることがわかります。立場としては実に9割の人が「留学生」で、勤め先から派遣された「研修生」が20人、「その他」の3人は会社からの派遣で来日した人です。移住地は東京が115人で最も多く、回答者の半数近くが東京に住んだ経験があります。年齢からは22~23歳という数字から、大学を卒業してすぐに来日するパターンが多いことがわかります。来日のきっかけは記入された内容を分けたところ、「進学」(62人)や「奨学金を得た」(55人)と答えている人が多く、「日本に行くことを前から希望していた」(67人)に続き、日本能力や専門知識、職業技術の習得のための来日で、6割以上の人が何らかの奨学金を得ているか、勤め先からの費用で来ています。そして特徴的なのは、8割の人が一定期間後、タイへの帰国を前提にしていることです。

アンケート調査結果 「タイ人から見た日本と日本人」
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【表4】日本での生活[経済状況]
表4は経済状況をまとめたもので、来日費用は145人が奨学金を得ており、回答者231人中、奨学金をもらっている人と勤め先が費用を負担している人の数を差し引いて、完全に自費で来日している人は73人となっています。アルバイトの経験は約半数の人が体験しています。

アンケート調査結果 「タイ人から見た日本と日本人」
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【表5】日本での生活[問題]
表5は日本の生活で抱えた問題について質問した結果で、圧倒的に多いのが「物価が高い」(165人)です。次いで「生活習慣が違う」(65人)、「気候が違う」(58人)、「日本語がわからない」(55人)が続き、日本とタイの違いによる問題を多くの人が抱えていることが分かります。そして「日本人の考え方がわからない」(52人)といった日本人との関係に問題を抱えている人も多くいます。「その他」の問題には「ホームシック」や「勉強」に関する問題が挙げられています。「物価の高さ」以外の問題を「国柄の違い」、「制度上の問題」、「差別」、「日本人との付き合い」に関する4つに分けると「国柄の違い」による問題を感じている人が129人で最も多く、全体の半数以上を占めています。「制度上の問題」は4割近い人が感じており、病気やケガをしたときの不安や、相談先がわからない、生活に必要な情報が入らないといった情報へのアクセスに問題を抱えています。

特に日本語能力が高くないうちは日本人とコミュニケーションをとるのが難しいため、情報入手の手段や相談先はタイ人留学生の先輩や友人に頼る傾向があります。また、滞在期間が長くなり、日本能力が高くなってくると日本人と接する機会が増えて関係も深まっていきますが、その分日本人との付き合いに問題を感じたり、差別を受けたと感じたりすることが多くなるようです。

アンケート調査結果 「タイ人から見た日本と日本人」
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【表6】帰国後の生活
表6は帰国後の生活に関する質問結果で、帰国後の職業は「会社員」(91人)が最も多く、次いで「公務員」(57人)となっており、日本語教師も含めるとこの3つで全体の8割を占めます。また、「会社員」の選択肢の横に「日系企業」と添えて記入している人が多く、日本に留学し日本語能力を身に付けたことにより、多くの人が日本語を使う職業か日本に関わる仕事についています。帰国後の収入に関しては無回答が多いため一般化することは難しいのですが、「3万~5万バーツ未満」が最も多い53人で、かなりの人が高収入を得ていることが分かります。

アンケート調査結果 「タイ人から見た日本と日本人」
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【表7】日本に対する評価
表7は日本に対する評価についてまとめたものです。タイと日本のどちらかが住みよいか質問したところ、半数以上が「タイ」と答えており、「日本」と答えた人の2倍以上です。来日に対しては9割近くの人が「日本に行くことが出来て良かった」(202人)と答えていますが、「後悔している」人も2人います。日本人にタイしてどのように思っているか質問した結果、「親切で友好的」と答えた人は151人で6割以上ですが、「親切だが友好的ではない」と答えている人も43人いて2割近くになっています。「人による」というように客観的に日本人のことを見ている人は27人います。228人の人が来日して何らかの成果があったと感じており、中でも「タイ以外の文化や価値観を知ることが出来た」と答えた人が172人で最も多くなっています。次いで「日本語を使う仕事が出来るようになった」(148人)「日本人の友人が出来た」(125人)と続いています。

日本に対する評価をまとめると、概ね来日経験が有効であったと評価していますが、日本を住みよさの点で評価している人は多くないことから、タイ人留学生にとって日本は帰国を前提とした一時的な生活の場であって、定住する場所とはあまり考えられていないようです。

アンケート調査結果 「タイ人から見た日本と日本人」



日本から遠くはなれ、人種も違い漢字文化圏でさえないタイ人が日本に行ってみたいと思う、若しくはタイ人が日本に惹かれる理由は何でしょうか。私たちが求職者の面接をしている中で、日本語を勉強しているタイ人や、日本に行ったことがあるタイ人からよく聞く理由として、「日本の高度な経済力から学ぶものがあると思った」、「奨学金をもらえるチャンスがあるのが日本だった」、「日本の漫画やドラマをよく見るので興味を持った」等があります。今回のアンケートでは彼らのバックグラウンドと日本から帰タイ後の意識を調査しましたが、これらに基づいて、被雇用者側である日本人も帰国したタイ人の日本、また日本人に対する意識を認識することにより、相互理解をより深めることが出来るでしょう。

タイ人が日本に長期滞在するということは、帰国後、彼らが習得した語学力や技術をタイにおいて活用できるという利点があります。勿論それだけではなく、日本人の習慣や考え方を知っている彼らが少しでもそれを周りのタイ人に伝えることができれれば、本人に限らずタイの日系企業にとっても素晴らしいことに違いありません。この資料が社内でのコミュニケーションを円滑にし、皆様の益々の発展にお役に立てれば幸いです。
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