タイ語能力試験

Competency test

タイ語能力試験に関する一般知識


現在、外国語能力試験で重視されているのは、言語の使用能力、すなわち、いわゆるコンピテンシー・テスト(Competency Test)である。この種の形式の試験には、国際教育研究所(Institute of International Education : IIE)によるTOEFLがある。その目的は、英語を母国語としない人がアメリカ合衆国に留学したり、研修・就労したりする際の英語の知識試験である。また、英国及びオーストラリアのIELTS(アイエルツ)等もある。

さて、タイ語能力試験(Competency Test)だが、これは、外国人のタイ語の使用能力の試験を目的としている。教育省基礎教育委員会事務局(Office of the Basic Education Commission, Ministry of Education)の教育試験局(Bureau of Education Testing : BET)によるもので、BETが試験の運営及び受験者への成績認定証の発給の責任機関となる。受験者は、留学や就職時、職業に就いたり、事業を営んだりする際に、タイ語能力を示す必要がある場合、発給された認定証を示すことができる。特に、タイ国で外国語教師になろうとする外国人にとっては、学生とのコミュニケーションにタイ語能力は不可欠であり、タイ語ができれば、質の良い授業を行えるようになる。認定証の有効期限は、試験の成績認定証が発給されてから2年間である。



タイ語能力試験の問題の構成


タイ語能力試験は、以下の通り、4部構成となっている。

第1部: リスニング(Listening Skill)


選択式の問題が36問、時間は40分。

第2部: 読解(Reading Skill)


一般読解問題(General Reading)と学術的読解問題(Academic Reading)に分かれている。選択式で48問、時間は50分。

第3部: 記述(Writing Skill)


2章に分かれており、第1章は説明文(General Writing)、第2章は意見表明文(Academic Writing)となっている。1章につき1文章、合計2つの文章を書かなければならない。時間は50分。

第4部: スピーキング(Speaking Skill)


個別面接方式で、時間は1人約10分。

タイ語能力試験の構成表





















問題問題数試験時間
リスニング36問40分
読解48問50分
記述説明文15分
意見表明文35分
会話面接1人約10分




タイ語能力試験の採点


採点は、受験者のタイ語能力の4側面(リスニング力、読解力、記述力、及びスピーキング力)による。各側面の配点については、以下の例のようになる。

各側面のタイ語能力の点数は、以下の表の通り、6段階で評価される。





























レベル タイ語能力
レベル1(初歩) 基礎的なタイ語のコミュニケーション及び使用能力がある。話す、聞く、読む、書くのどれについても困難である。
レベル2(小学校低学年) 限定的なタイ語使用能力があり、日常的な事柄についてだけ、話す、聞く、読む、書くことができる。
レベル3(小学校高学年) 中程度のタイ語のコミュニケーション及び使用能力がある。部分的に話す、聞く、読む、書くことができるが、文法的な問題がある。
レベル4(中等教育課程) 比較的高いタイ語のコミュニケーション及び使用能力がある。比較的上手に話す、聞く、読む、書くことができるが、言葉の使い方、文法に間違いもある。
レベル5(高等教育課程) 高いタイ語のコミュニケーション及び使用能力がある。話す、聞く、読む、書くことについて、おおよそ正確であり、場合と状況に応じて適切に使っている。が、多少、間違いもある。
レベル6(母国語の人と同等) レベル6(母国語の人と同等) 大変高いタイ語のコミュニケーション及び使用能力がある。話す、聞く、読む、書くことについて、正確で、適切である。




タイ語能力試験の問題の性質


タイ語能力試験の方式は、言語使用能力測定のための問題であるため、試験は以下の4セットの問題より構成されるものとなっている。

  • 1. リスニング試験

  • 2. 読解試験

  • 3. 記述試験

  • 4. 会話試験


1.1 リスニング試験(Listening Skill)


リスニング試験の目的は、受験者のタイ語聞き取り能力を測定することで、問題数は、全36問である。構成は、短い文章、短い会話、ニュース又は出来事の報道、学術的事柄などの聞き取りである。問題の内容は、一般的な事柄、日常的な出来事である。学術的事柄とは、幅広い知識を問う内容で、それほど専門的に深く追求するものではない。

リスニング試験の回答方法は、選択欄のみが記された回答用紙が配られ、受験者は、試験官が流す質問と選択肢のテープを聞くだけである。

リスニング問題の例


(テープを聞いて下さい)
「今日、お母さんは、寒気がして熱っぽいの。きっと風邪を引いたんだわ。今朝、薬を飲んだけど、まだ全然よくならないから、医者に行かなきゃならないわね」
問い:お母さんは、これからどこへ行くつもりだと思いますか?
1) 留置所
2) ホテル
3) 学校
4) 病院

答え: 4) 病院

1.2 読解試験(Reading Skill)


読解試験の目的は、受験者の読解力を測定することで、読解試験問題の構成は、選択方式(Multiple choices)の問題48問である。読解試験の内容は、簡単なものから難しいものへという順に並んでおり、本・新聞・雑誌・機関誌・教科書などからの短文、ニュース、文章、コラムといった様々な内容の話が出題される。

読解試験の形式は、文章を読み、読んだ文章の内容、情報、事実関係を把握する、筆者の意見・意図を解釈する、要旨をまとめる、などである。

受験者が読解試験で気を付けなければならないのは、時間配分である。というのは、問題の回答時間は50分と決まっているので、1つの話を読むのにあまり多くの時間はかけられないのである。時間になったら直ちに回答をやめ、記述試験(Writing Skill)の部に入らなければならない。

読解問題の例


次の文章を読んで、問1に答えなさい。
水牛レースの行事は、チョンブリーに昔からある行事で、毎年、出安居の頃に開かれます。村の人々は、様々な色の絹布で自分の水牛を美しく飾ります。言い伝えによると、この行事は、ヤイ・インターラーム寺で百年以上にもわたって行われてきたそうです。参加する農民たちは、水牛を牛車につけて、寺にやって来ます。寺に着くと、村の人々は、おもしろおかしく水牛を乗り回し、競走します。これは、村の人々にとって、とても楽しい行事です。
問い:筆者の意図はどれですか。
1) 水牛レースの振興
2) 水牛レース観光への誘い
3) 水牛レースに関する情報提供
4) 水牛レースの大切さについての主張

答え: 3)

1.3 記述試験(Writing Skill)


記述試験の問題は、2章に分かれており、第1章は説明文(General Writing)、第2章は意見表明文(Academic Writing)となっている。1章につき1文章、合計2つの文章を書かなければならない。所用時間は50分である。

記述試験の目的は、受験者の記述能力を測定することである。第1章は、図表について説明するもので、示された情報についての意見を提示する必要はない。この章の記述問題に必要な技能は、示された図表中の事柄を説明するための簡単な文章力である。

第2章は、意見表明文で、更に高い文章力が必要とされる。一般に、所定の論点について説明又は解説するものとなっており、受験者は、理由を示したり、反論したり、学術的な意見を提示したりすることができなければならない。記述においては、序文、本文、まとめという順序が正しく書かれていなければならない。 

説明文記述問題の例


以下の表について、10行程度で説明しなさい(時間15分)。表は、保健省が2007年にまとめた調査による、1,000人の運動日数を示したものである。











週あたりの運動日数
毎日1001813029
6日9016409
5日80145012
4日70126014
3日6010306
2日5097017
1日408204
運動しない7013409
合計560100440100


学術的記述問題の例


1. 意見表明文記述問題の例
コンピュータは、人間の日常生活にとってどんな役割があり、人間にとってどんな影響を与えると思いますか。プラス、マイナス両面の影響について言及し、20行程度で説明しなさい(時間35分)。
2. 反論文記述問題の例
テクノロジーによって、人間の生活は、より便利で快適なものになった。これにあなたは賛成ですか、反対ですか。20行程度で意見を表明しなさい(時間35分)。

1.4 会話試験(Speaking Skill)及び会話試験の採点基準


会話試験の所要時間は10分程度である。評価基準は、以下の3点である。
1. 発音
2. 質問への応答
3. 言葉の使い方

話す内容
1. レベル1(初歩)?レベル2(小学校低学年)
自己紹介、又は、自国の紹介。
住んでいる場所、勤務場所など、場所の説明。
短い質問に対する回答。

2. レベル3(小学校高学年)?レベル4(中等教育課程)
自身に関する出来事、又は、身の回りで起こった出来事について話す。
情報の説明。
観光、慣習、生活など、一般的な話題について話す。
意見表明。

3. レベル5(高等教育課程)?レベル6(母国語の人と同等)
様々な事象について、補助的見解 / 反対意見を示した上で話す。
問題及び解決方法の提示。
長所と短所の比較。
批評、批判、など。

「外国人のためのタイ語能力試験に関する手引き」


教育省基礎教育委員会事務局 教育試験局
(Bureau of Education Testing : BET , Office of the Basic Education Commission, Ministry of Education)
パーソネルコンサルタントにて翻訳しました。