2023.11.09

採用

タイ人求職者の語学スキルについて(日本語・英語・中国語)

タイで事業を行っている皆さんにとって、自社のタイ人スタッフとどの言語を使ってコミュニケーションをとるのかは重要な課題です。また、取引先などの対外的なコミュニケーションにおいても、外国語が必要になるケースがあるでしょう。採用の際に語学スキルを重視する方はとても多いと思います。
そこで、本記事ではそれぞれの言語の資格試験についての解説と、面接の際の語学力の確認の方法についてお伝えいたします。

英語

タイでも、日本と同様にTOEICが就職の際の英語の資格として用いられていることが多いです。TOEICはバンコクでは月に1回公開テストが開催されています。
990点満点の試験で、700点以上あれば、英語の基礎があると考えてよいでしょう。ただし、TOEICは読解・聴解メインの試験であるため、会話力は別途確認する必要があります。

日本人とタイ人が英語で会話する際に、お互いの訛りに不慣れでうまくコミュニケーションが取れないというケースもよく耳にします。訛りについては、日本人・タイ人双方の慣れと、時間をかけた相互理解の努力が必要になります。
タイ語母語話者は、外来語の語尾が上がる、SHとCHやVとWの発音の区別が無いなどの特徴があります。日本人の英語の訛りに慣れないタイ人もたくさんいますので、お互い様と考えて慣れていきましょう。

日本語

履歴書上で日本語力をチェックする際には、日本語能力試験(JLPT)がよく利用されます。以下のように5段階にレベルが分かれており、タイ国内では年に2回の試験のチャンスがあります。

N1 幅広い場面で使われる日本語を理解することができる
N2 日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる。
N3 日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる。
N4 基本的な日本語を理解することができる。
N5 基本的な日本語をある程度理解することができる。

タイ人にとって、ビジネスの場面で日本語を使うにあたり、取得が期待されているのはN3以上です。タイ人にとっては、漢字など文字の面で苦労するため、N3以上を取るには相応の努力が必要になります。

ただし、JLPTは読解・聴解を測る試験であるため、会話力があるかは別途確認する必要があります。N2以上の方でも会話がうまくできない人はいますし、逆にN3でも、読み書きは苦手ですが、日本人との実践的な会話の経験があり、会話が得意な人もいます。
日本語の読み・書き・話す・聞くの能力を全て完璧に兼ね備えた人を探すことはなかなか難しいです。これらの能力のうち、業務の中で必要となる能力は何なのかをはっきりさせたうえで、選考をする必要があります。

中国語

中国語の資格は、中国政府が認定するHSKが有名です。筆記・リスニング試験は1級から6級まであり、難易度が一番高いのは6級です。また、2022年より筆記とリスニングに加えてスピーキング能力を測る、ハイレベルな7級から9級が新たに作られました。
1-6級までは、以下のようなレベル判定となっています。

6級 意見などを口頭や書面で表現
5級 中国語でスピーチできる
4級 中国語を母語とする者と話せる
3級 基本的なコミュニケーション
2級 初級中国語の上位レベル
1級 日常中国語の応用能力を判定

タイ人がビジネスで使える中国語の基礎力があると判断できるのは4級以上が目安になります。日本人であれば、5級以上が目安ですが、タイ人は漢字のハンディキャップがあるため、4級以上が目安となります。
HSKは聴解・読解・作文がメインの試験であり、会話力を別途確認する必要があります。ただ、タイ語と中国語の文法はとても似ており、どちらも声調を持つ言語であることから、タイ人にとって中国語の会話力を伸ばすことは日本人よりも容易です。HSKの級を持っていなかったり、等級が低くても会話が上手な方がいるかもしれません。

面接で語学力をチェックする方法

まず、面接の前に、候補者に対してどれくらいの語学力を求めたいかの認識を明確にする必要があります。聞く・読む・話す・書くの4つの技能が完璧に備わっている人材を探すことは難しいため、どの力を重視したいか、どんな場面で語学を使うのかということを明確化する必要があります。候補者に対しても、どんな場面で語学を使うのかを伝えることが重要です。言語を私用する場面を具体的に伝えることで、自身が対応可能かどうかを判断してもらうことができます。

また、資格試験だけでは会話力を確認することが難しいことが上記からご理解頂けたかと思います。それでは、面接でどのように確認するのが良いのでしょうか。以下の3つの方法をお伝えします。

①誰とどんな場面で該当言語を使ったことがあるのかを確認する
語学を仕事の場面で利用したことがある経験者の求職者に対しては、どんな場面で、誰と使ったことがあるのか、使った頻度を確認しましょう。
新卒の求職者については、インターンシップや語学研修などで実際に該当言語を使った経験について詳しく掘り下げてみましょう。

②面接時に必ず該当言語で話す
実際にコミュニケーションをとる言語で会話を必ずしましょう。ネイティブスピーカーと話す必要がある場合は、その言語のネイティブスピーカーと話してもらうことが理想です。
面接の場では緊張してしまって、本来の語学力が発揮できない求職者も多いため、なるべくリラックスさせるように意識して、アイスブレーキングを行うことも重要です。

③実際に使う場面をシミュレーションしてみる
②のように、ただ話すだけだと、自己紹介や世間話などの日常会話の域をなかなか超えることができないため、実際のビジネスの場面を設定して、シミュレーションをしてみることも良い方法です。特に、新卒や経験の浅い候補者について、ポテンシャルを図る意味でも試してみることをお勧めします。

・電話のロールプレイをする
例:面接官がお客様になったと想定して、電話をかける。発注内容の変更を伝える、アポイントの日程変更を依頼する等の場面を設定し、やりとりをする。

・メールのやりとりのロールプレイをする
例:メールや口頭で依頼したい内容を伝え、メールを書かせる。日本語の場合、依頼メールの文章を音読してもらうことで、漢字がどれくらい読めるかを確認することができる。2往復くらいのメールやりとりをする。このやりとりをオンライン会議ツールで行い、求職者のメール画面を画面共有してもらうことで、タイピングの速さなども確認することができる。

以上、語学試験の解説と、面接時の確認方法についてお伝えしました。パーソネルコンサルタントでは、英語と日本語について、ご紹介する求職者と実際に会話をして、会話力のレベルをレジュメに記載しておりますのでご参考になさってください。


パーソネルコンサルタントは、タイ人・日本人の人材紹介事業を約30年続けております。
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