2023.11.09

福利厚生

【タイ進出企業向け】タイの福利厚生について

タイの福利厚生は医療保険/補助、プロビデントファンド(退職金積み立て基金)、通勤手当が重要です

社会保険(SSO)、産休手当、有給休暇、病気休暇はタイの労働法で定められています。

また、従業員が企業選びの際に特に重視する項目についても説明します。

 

■医療保険/補助
企業は従業員に対して社会保険の加入義務がありますが、社会保険でサポートされる内容が十分ではないため、別途医療保険や、医療費の補助を出している企業が多いです。
医療費の補助は、タイ人求職者・日本人求職者ともに重要視しているポイントです。
医療保険であれば、通院補助で1回あたり1,000THBから2,500THBまで補助がでるもの、医療費の補助であれば、従業員からの病院の領収書と診断書を提出してもらい、年間5,000から10,000THBほどを上限として実費で支給するケースが多いです。

■年次健康診断
タイでは日本のように、企業が社員に健康診断を受けさせる義務は法律で定められていません。あくまで福利厚生の一環として、タイでも日本と同じような項目(胸部X線、血液検査、尿検査や医師の問診など)を提供しています。
私立病院で法人向けのパッケージプランを利用している企業が多いです。

■プロビデントファンド(退職金積み立て基金)
プロビデントファンドとは、企業と従業員の間で任意加入希望者向けに設定されたファンドで、従業員の離職、退職、病気、死亡などの場合の資金源に活用されるものです。日本の制度では確定拠出年金(401k)にイメージが近いです。
タイに進出してまもない企業では、導入している企業は少ないですが、プロビデントファンドを重視しているタイ人求職者が増えていますので、ビジネスが安定してきましたら導入を検討されることをお勧めします。

以下の記事で詳細をご紹介しております。
→タイのプロビデンドファンドとは?リンク

 

 

■通勤手当
通勤手当は、タイ人求職者が重視するポイントです。
製造業では、通勤手当の代わりに、会社が工場周辺エリアを回る送迎バスを用意していることがあります。新卒から社会人2-3年目の若い求職者は、金銭的な事情からまだ車やバイクを持っていないことが多く、交通手段が会社で用意されていることが、企業選択の大きなポイントになることが多いです。
送迎バスを用意しない場合は、毎月500−1000THBほどを支給するケースが多いです。

商社などの非製造業で、バンコク市内にオフィスがある場合は、1,000-2,000THBを一律で支給するか、公共交通機関を利用した分の交通費を実費で支給する場合などがあります。
バンコク市内もBTSやMRTなどの交通機関が発達してきましたが、タイ人の賃金と比べると費用は割高ですし、BTSやMRTの駅から遠い場所に住んでいる人も多いことから、重視されています。

■住宅手当
製造業や建設業でよくみられる手当です。
工業地帯周辺では、500〜1,000THBほどを支給したり、会社の寮を提供するパターンがあります。

■皆勤手当て
製造業でよくみられる手当です。
遅刻や欠勤、病気休暇の取得がない月に500〜1000THBほど支給するパターンや、遅刻や欠勤、病気休暇の取得がない月が連続するほど支給額を増やす(例:1ヶ月目→500THB、2ヶ月目→750THB、3ヶ月目1000THB)パターンで導入しています。
非製造業でも、従業員の遅刻や、病気休暇の乱用の抑止力に活用するために導入している企業もあります。

■携帯電話/通信費の支給
主に、業務で携帯電話を利用する営業社員向けのものです。
SIMカードの支給、携帯電話本体とSIMカードの支給、もしくは自身の携帯電話を利用してもらい月に800〜1,000THBほどの補助を出すなどのパターンがあります。

■社員旅行
社員の慰問旅行、親睦旅行としての位置付けで、中小規模の企業で実施されているケースが多いです。行き先はタイ国内がメジャーです。

■営業インセンティブ
営業社員の営業成績により支給される手当です。企業により、インセンティブの割合の設定はさまざまです。
基本給与を低く設定し、インセンティブの割合を高くする企業も見受けられますが、基本給を重視する候補者も多いため、採用の際は、インセンティブがどの程度になるのか、どのような目標設定になっているのかを具体的に説明するなど、注意が必要です。

■ガソリン・メンテナンス代
通勤用ではなく、自家用車を使って営業をする社員向けの手当です。
社用車を使う場合は支給はありません。ガソリン代は走行距離に応じて、5〜7THB/kmほど支給されることが多いようです。

■語学手当
日本語:日本語学習のインセンティブとしての役割もありますが、主には日本語ができるタイ人の採用の際に、他の日本語ができない社員との給与差を基本給でつけず、手当として差をつけるために導入しているケースが多いです。主に日本語能力試験のN3、N2、N1の資格を取得している場合に支給します。

英語:英語力向上のインセンティブとして、または語学ができない他の社員との給与の差別化のために設定しているケースが多いです。主にTOEICの700、800、900点以上などを閾値として手当を設定しています。

タイ語:日本人向けに、タイ語を学ぶインセンティブにするために設定されていることが多いです。タイ語検定を使っていることが多いです。

<労働法で定められている福利厚生について>

以下の福利厚生は労働法で定められています。

■社会保険(SSO)
月給の5%(上限750THB)を社会保険料として、従業員と企業がそれぞれ負担します。健康保険、失業保険、年金が含まれています。
健康保険については、指定された病院を受診すれば費用はかかりません。病院には、外国人御用達の私立病院は含まれていません。また、医療レベルの高い病院ではないことも多く、タイ人でも利用したがらないこともあります。

■産休手当
上記の社会保険から支出されます。産前・産後の最大98日が産休として認められます。45日間は有給扱いとなり、残りは社会保険による産前の平均給与(上限15,000THB)の50%が補償されます。

■有給休暇
1年以上勤務した従業員に対して、6日以上の有給休暇の付与が義務づけられています。
日系企業では、7日〜10日ほど付与しているケースが多いです。
また、1年以上勤務を待たずに、試用期間終了後から、入社時期で按分された日数を有給として利用することを許可している企業もあります。

■病気休暇(Sick Leave)
日本では体調不良の場合も有給休暇で対処しますが、タイでは30日間の有給扱いの病気休暇という仕組みがあります。
こちらは試用期間中から使うことが認められています。
通常の有給休暇として利用されないように、3日以上連続で病気休暇を使う場合には、医師の診断書の提出を求める企業が多いです。

以上、福利厚生について解説してまいりました。
パーソネルコンサルタントでは毎年、タイの日系企業向けにアンケート調査を行い、
「在タイ日系企業 給与・福利厚生統計データ」を作成しております。

それぞれの福利厚生について、製造業・非製造業別の導入の割合など、より詳細な情報をご覧いただけます。

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