2025.12.23

タイ進出

タイ進出の可否を見極める!成功するための市場調査ポイントとは?その2

【タイ進出前に知っておきたい】なぜ市場調査が重要なのか

海外展開を成功させるうえで、進出先市場の特性を正確に捉えることは欠かせません。
とりわけ東南アジアの中心ともいえるタイは、親日的な国民性や戦略的立地などから多くの日本企業が拠点を構えています。
しかし、タイ進出を成功させる鍵は、事前に実施する市場調査の質と精度にかかっています。

本記事では、タイ市場を多角的に分析し、進出可否の判断材料となる重要ポイントをご紹介します。

【タイ進出企業向け】市場調査を成功に導く「思考法」を理解しよう

前回は、調査の方法に関して、解説しましたが、今回は集まったデータの考え方としていくつか方法論を解説します。

市場調査において「演繹法(えんえきほう)」と「帰納法(きのうほう)」は、データの分析や仮説の構築に欠かせない重要な思考方法です。
両者はアプローチの仕方が異なり、それぞれに適した場面があります。

【演繹法とは】理論から市場を読み解く「トップダウン型アプローチ」

まず演繹法とは、一般的な原理や理論から個別の事例を導き出す方法です。
たとえば、「消費者は価格が安い商品を選ぶ傾向がある」という一般的な理論を前提に、ある特定の市場においても同様の行動が見られると予測します。

演繹法の利点は、既存の知識体系を基に論理的な推論を行える点です。
市場調査では、経済学やマーケティング理論などの学術的知見を出発点に調査設計ができ、調査結果の解釈にも一貫性を持たせやすくなります。ただし、前提となる理論や仮説が実際の市場に当てはまらない場合、誤った結論を導くリスクもあります。

例えば、日本では家に帰宅した際に「うがいを必ずする」「手を消毒液で洗う」など一般的な考え方と思いますが、アジアではうがいをする文化が少なかったりします。

インフルエンザ予防のために、何をするのか??
マスクをするのも、新型コロナウイルスが流行る前は、マスクを付ける習慣もタイでは皆無でした。
つまり現地の文化や、習慣、常識を分かった上での演繹法であれば、問題が無いのですが、そもそもその情報を知らない、理解が出来ない、納得が出来ない場合、手法として間違えてしまい、結論や出てくるデータからの判断を見誤う可能性があります。

【帰納法とは】現場データから洞察を得る「ボトムアップ型アプローチ」

一方で、帰納法は、個別の観察やデータから一般的な傾向や法則を導き出す方法です。
例えば、現地の国で複数の地域でアンケート調査を行い、「20代女性はSNS広告に強く反応する」傾向が見られた場合、これを一般化して他地域の20代女性にも当てはまる可能性があると推論します。

帰納法の強みは、現場のデータや実際の観察に根ざしているため、理論にとらわれず柔軟に仮説を構築できる点です。特に新しい市場や未知の消費者層を対象とする場合に有効です。

しかし、限られたデータから一般化を行うため、サンプルの偏りや外れ値の影響を受けやすいという注意点もあります。
帰納法も出てくる情報に対して、理解不足、事前情報が不足ていると、判断を間違う可能性が出てきます。

例を挙げると、アジアでタイの若者にアンケートを取って、どのようなものに反応するのか?どのような色や形・デザインに興味あるのか?、などデータが取れるとします。アンケート取ると、黄色が好きが圧倒的に多く出た場合、文化背景を知らないと理解が出来ない可能性が出てきます。タイの住所や、番号が好きな場合、どこが富裕層に刺さるのか、どこに魅力を感じるのか?
を考えた場合、データが偏った際に、何故そのようになるのか、その背景まで読み取らないと、日本人として日本に長く住んでいる場合だと、流行、トレンド、文化などで理解や判断で間違ってしまうことがあります。

【タイ市場分析の実践】両者を組み合わせた効果的なアプローチ

日本国内のビジネス市場調査であれば、ある程度、対象者が「国内であり、共通言語であり、共通文化背景を共有する組織体」であるケースが多く、出てくる回答に関してもある程度、想像できる範囲、突拍子もない成果物が出てくることは少ないかと考えます。

しかし海外の市場調査では、しっかりと歴史的な・文化的な・宗教的な背景を理解した上で、この二つの方法を組み合わせて活用することが効果的です。

たとえば、演繹法を使って理論に基づいた仮説を立て、それを帰納法によって実際のデータで検証する、というプロセスが一般的です。逆に、帰納的に得られた消費者行動のパターンをもとに新たな理論を構築し、演繹的に他の市場に適用するという応用も考えられます。

結論として、演繹法と帰納法は市場調査における思考の両輪であり、目的や調査段階に応じて適切に使い分けることが、より深く正確な消費者理解につながります。
上記の「演繹法」と「帰納法」を組み合わせた上で、前回の調査方法を理解しながら、御社の海外展開を進めていただければと思います。

【まとめ】文化とデータを理解した市場調査がタイ進出成功のカギ

このように、市場調査と言うものには、様々なやり方・手法があります。

御社が抱える課題に向けて、適切な調査方法、分析方法がありますので下記リンク先より
お気軽にご相談をいただけましたら幸いです。

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