2025.12.23

タイ進出

タイ進出の可否を見極める!成功するための市場調査ポイントとは? その4―過去事例紹介ー

【タイ進出前に知っておきたい】なぜ市場調査が重要なのか

海外展開を成功させるうえで、進出先市場の特性を正確に捉えることは欠かせません。
とりわけ東南アジアの中心ともいえるタイは、親日的な国民性や戦略的立地などから多くの日本企業が拠点を構えています。
しかし、タイ進出を成功させる鍵は、事前に実施する市場調査の質と精度にかかっています。

本記事シリーズでは、タイ市場を多角的に分析し、進出可否の判断材料となる重要ポイントをご紹介します。

前回は、調査の方法に関して、様々な組織や団体に関して、解説しましたが、今回はタイ国内で実際に市場調査を行う上での体験談や、失敗事例をご紹介します。

「日本と同様なサービスは、まだタイには無いはずなので、チャレンジしたい。」
「同様な製品・商品は無いので、タイに売り込みたい、進出したい。」

毎月のように上記のご相談を、様々な方面からいただいています。
ただし、実際には、
・何も市場調査せずに会社を作ってしまい、見込みが甘く失敗し撤退
・成功を信じて疑わず、スピード重視で進めてしまい、中央分離帯で大破
・サービス・製品は良かったが、パートナー企業と上手く行かず撤退

などなど失敗の事例・ケースは後を絶ちません。

新規進出のニュース、PRタイムズの発表などで華々しい報道はたくさん出ますが、
その後、上手く行かずにひっそりと事業を閉鎖、撤退を決める事例を数多く見てきました。もちろん、撤退を大々的に発表する企業は少ないので、目立ちませんが、社内内部の方は本当に大変な思いをされています。

そこで、今回はそのような事例を3つほどご紹介します。

「ケース1」 タイの交通事故を減らしたい! 日本の自動車教習サービスをタイで流行らせたい。

こちらの企業様は、関東圏では有名な自動車学校で、オーナーより、「タイは交通事故が大変多いらしい」。ゆえにタイで自動車研修学校、自動車運転マナー講習、自動車運転免許試験支援サービスが受けるのでは?」とのことで、かなり前向きな投資をご検討されていました。
日本に在住の方であれば、学生時代、または若手社会人時代に20万~30万円を掛けて自動車教習所に通われた経験のある方も多いかと思います。

ただ、教習所を作る、建物(ハコ)を作る、タイ人教師を雇用するなどすべてコストが掛かります。よってその前に念のため、客観的なデータを集め、同市場を分析してみることにしました。

弊社では、
「結論から申し上げると、タイは自動車免許は50~200バーツで取得できます」
「タイの自動車免許は日本のように難易度が高くなく、簡単にほぼ誰でも取得できます」
とお伝えしました。本当に低価格で簡易に取れるため、事故が多いのです。

つまり、高額な日本式教習サービスには需要がないことがわかったのです。何も知らないまま、建設工事を開始し、教習用の道路や橋を作ったりしていたら、採算が取れなかった可能性があります。

タイにある程度長い方ですと、タイの自動車免許制度のお話は、
常識的なお話ですが、日本から進出するとなると意外に知られていない話であり、
オーナーも目を丸くされていました。

このような事例は、枚挙にいとまがないほど、いただきます。
飲食業、小売業、サービス業、製造業、様々なところで、同じような事例を見聞きしてきました。弊社では1か月ほどお時間をいただいて、

「市場がそもそもあるのか、無いのか」「その市場規模はおよそ何億円 何十億円??」
「その市場でシェアを多く握る企業名は? 国営?民間?タイ資本?欧米資本?」
「その市場に参入するためのルールは?」「文化的な慣習の違いは?」

などを調べて、お客様へ提出しています。

「ケース2」 宿泊サービス、地方展開の事例 バンコクは理解した、続いて他県、地方への展開を決めるパターン

某社の事例では、すでにタイのバンコク首都圏ではある程度の実績を出され、続いて
タイローカル企業へのアプローチや、地方の展開を目指しています。

そこで弊社では2か月ほどお時間をいただき、各地方の市場調査を実施しました。
タイには様々な観光地、地方都市があり、合計で76県あります。
それぞれ特性、特色、文化的な違いがあり、バンコクと同様のマーケティングが異なったり、そもそもニーズが合ってないなども起こりえます。
そこで、

1 各ビーチにおける客層の分析
2 各宿泊事例や何を重視して、宿泊先を選んでいるのか?
3 その他、災害などのリスクは無いのか?

例えば、関東の事例ですと同じビーチと呼ばれるエリアでも、湘南のビーチ(客層若め)、葉山の海岸エリア(富裕層多め)、熱海のビーチ(温泉街)などなど特色などが頭に思い浮かぶかと思います。

一方でタイの南部ビーチにもパトンビーチ、カタビーチ、カマラビーチなどなど数多くのビーチが存在する中、「どこのビーチがどのような特性があり、どのようなリスクポイントがあるのか?」を弊社で、現地取材を基にしまして市場調査レポートを作成しました。

こちらでも同様に

「どのビーチに市場がそもそもあるのか、無いのか」
「その各地域のビーチ市場規模はおよそ何億円 何十億円??」
「その市場でシェアを多く握る宿泊施設名は? 民間?タイ資本?欧米資本?」
「その市場に参入するためのルールは?」「文化的な慣習の違いは?」

などを調べて、お客様へ提出しています。

実際には、2004年12月、インドネシアのスマトラ島沖で巨大な大地震が発生しており、
プーケットの様々なビーチで甚大な被害が発生。当時は、各地ビーチなどで合計およそ5,000名以上の方がお亡くなりになりました。
どのビーチが最も被害が大きかったかなどなど、弊社でも分析レポートを作成しました。

もちろん、自身で現地に訪れ、何度も何度もヒアリングをしましてゼロから自社内だけで進出調査業務を行うことも、良いことだと考えております。

ただし、やみくもに回られて、バイアスの掛かった意見を集約したり、限られた産業にしかアポイントが取れなかったりするケースもあるため、
市場調査の費用が1回の渡航コストよりも低いようであれば、先に情報収集、データ収集などを行うことで、(1)訪問先を絞れる(2)時間的なコストを削減できる(3)無駄な徒労に終わらない などの複数メリットがあると考えます。

 

「ケース3」介護サービスの展開を考えているお客様

最後に、「タイ国内でも確実に少子高齢化が進むので日本の介護サービスを導入したい」というケーススタディです。

人口規模がおよそ6,700万人で、日本の半分くらいの人口ですが、タイ国内でも、1,000万人以上が高齢者が暮らしています。

日本国内より、関東で50箇所程度介護施設を運営する日系企業様より、タイでの進出を検討していることを2010年代にいただきました。

日本から見る感覚ですと、やはり、「高齢者が増える=介護サービスが保険を使えて普及するに違いない。」と考えがちですが、こちらも弊社で調べたところ様々な高齢者介護市場で懸念しておくポイントがあることが判明しました。

こちらは弊社でお受けした内容では、

「何故、タイには高齢者介護施設が少ないのか??」
「タイでは平均寿命がどのくらいなのか??」
「そもそもタイの高齢者は毎日どのようなライフスタイルなのか?」
「日本のようなリハビリ施設」「日本のような介護保険などはあるのか?」

上記のようなことを知りたい、調べたいと言うことで弊社では3か月ほどお時間をいただき、各政府系機関への確認、業界団体のヒアリング、個人のご家庭のヒアリング、
などを実施させていただきました。

そこでは、
・タイには介護保険制度が存在しない
・高齢者は、本当に微々たる年金のようなものしかもらえない
・タイ人親御さんを家庭内で面倒を見る文化が強く、誰かに預ける、そして介護をしてもらうと言うカルチャーが無い。

などが判明しました。

一方で、
共働き文化であり、日中は親御さんのフォロー、介護を行う時間が無いという社会課題が見えてきました。
また、地方ではボランティアスタッフが充実しており、彼ら彼女らがタイの地方介護の
一部を担っている現状が浮かび上がりました。

介護の分野もサービスの分野、また、介護用品なども市場はあるものの、廉価版の製品が大量に見つかり、価格勝負は厳しいため、どのような差別化を図れるかが課題点として浮かび上がりました。

【まとめ】データを理解した市場調査がタイ進出成功のカギ

このように、市場調査と言うものには、様々なやり方・手法があります。

御社が抱える課題に向けて、適切な調査方法、分析方法がありますので下記リンク先より
お気軽にご相談をいただけましたら幸いです。

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