バンコクをはじめとするタイの都市部では、日本食レストランはもはや珍しいものではなく、現地の人々の日常生活に深く浸透しています。寿司やラーメン、居酒屋、焼肉、洋食に至るまで、幅広い業態が現地で親しまれています。
しかし、市場の拡大に伴い店舗間の競争は年々激化しており、「日本で成功したコンセプトをそのまま持ち込めば成功する」という時代は終わりを告げました。市場が成熟した現在、料理の品質や店舗立地といったハード面以上に、店舗経営の成否を分ける大きな要因となっているのが現場を支える「人材」の存在です。

1. タイの飲食店経営で直面する「人材」の壁
日本人経営者がタイで店舗を運営する際、最も大きな障壁の一つとなるのが、言語・文化・労働観の違いによる組織マネジメントの難しさです。
日本人経営者や店長が現地でオペレーションを指揮する場合、マニュアル通りのサービス指導や品質管理においてコミュニケーションギャップが生じやすく、スタッフの早期離職につながるケースも少なくありません。一方で、現地のオペレーションをすべてタイ人スタッフに任せきりにすると、ブランドが持つ「日本クオリティ」や細やかなサービスレベルが維持できなくなるという課題に直面します。
特に重要となるのが、店舗内における「日本人スタッフ」と「タイ人スタッフ」の役割分担と、それぞれの適切な採用・配置の考え方です。
2. 日本人とタイ人、それぞれの強みをどう活かすか(実例に学ぶ役割分担)
飲食店の組織づくりにおいて必要なのは、「日本人とタイ人のどちらを採用するか」という比較ではなく、「それぞれの強みをどのポジションで最大化させるか」という視点です。
ここで、タイで展開する日系大手飲食チェーンの役割分担やDX活用の成功事例を見てみましょう。
💡 現場のDXと人件費最適化の実例:スシロー(Sushiro Thailand)
回転寿司チェーンのスシローは、タイ進出にあたりタッチパネル注文や自動レーンなどのDXを積極導入。ホールスタッフの単純作業を省力化・標準化することで、タイ人スタッフが顧客へのきめ細やかなおもてなしや清掃に集中できる体制を整えています。
💡 味の根幹とローカル調達の使い分け:一風堂(IPPUDO Thailand)
ラーメン店一風堂では、スープの核となる「かえし」や麺のクオリティ管理は日本の基準(日本人シェフ・品質管理者のノウハウ)を厳格に維持する一方、チャーシュー用の豚肉や野菜などはタイ国内で現地調達する戦略をとっています。「日本の味の軸を守る日本人」と「現地オペレーションを円滑に回すタイ人」の見事な連携例です。
▶ 参照:IPPUDO Thailand
全ポジションを日本人で固めると、人件費の上昇や労働ビザ規定(外国人1名につきタイ人スタッフ4名の雇用義務など)のコスト負担が経営を圧迫します。逆に、現地化を急ぐあまり適切な統括人材を置かない場合、品質低下を招きます。日本人スタッフが「品質と理念の軸」を保持し、タイ人スタッフが「現地適応と現場の実行力」を担う「日本人 × タイ人」の掛け算が不可欠です。
3. 採用を成功させるために企業が考えるべきこと
タイでの飲食ビジネスを成功に導く採用戦略として、企業は以下の3ポイントを押さえる必要があります。
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「国籍」ではなく「役割(ポジション)」から逆算する
「日本人だから」「タイ人だから」という固定観念を捨て、そのポジションで求めるスキル、言語能力、責任範囲を明確にし、要件に合った人材を配置する。
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現地採用人材・日系経験者の有効活用
日本からの駐在員派遣だけでなく、タイの文化や商習慣を理解している「現地採用の日本人」や、日本語対応が可能な「タイ人マネージャー」など、柔軟な雇用形態を検討する。
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中長期的なキャリアパスの設計
現地スタッフが長期的に働くモチベーションを持てるよう、評価制度や昇進ルートを整備し、組織の持続的な成長を図る。

飲食業界特化型プラットフォーム「Restaurant Job in Thai」で理想の採用を
タイで飲食店を成功させるためには、料理の美味しさや店舗デザインだけでなく、それを現場で支える「人材」をどう組み合わせ、どう配置するかが極めて重要です。
しかし、飲食特化のスキルを持った日本人求職者や、日系企業の文化・接客基準を解する優秀なタイ人スタッフを探し出すのは容易ではありません。
そこでパーソネルコンサルタント(PCMT)では、タイの飲食業界に特化した新たな人材マッチングサービス「Restaurant Job in Thai」をスタートいたしました。
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