2023.07.14タイの文化

タイの挨拶「サワッディー」と「ワイ」について

タイ語でのあいさつの基本

 

「こんにちは」のタイ語は「サワッディー」です。とてもよく使う言葉ですが、注意しなければならない点もいくつかあります。挨拶はコミュニケーションの基本ですから、どんな習慣があるのか 知っておくことが大切です。

まずは、丁寧語で言うこと。女性は「サワッディー・カ」と語尾に「カ」を付ければ丁寧になります。少し伸ばして「カー」と言っても大丈夫。男性は「サワッディー・クラップ」です。「クラップ」のR音は発音しない人も多いですから「カップ」でもOK。また、タイ語は最後の子音をほとんど発音しないので、口を「プ」の形に閉じる程度にします。タイに来たばかりの人は他人が「クラップ」と言っても「クラッ」にしか聞こえないかもしれないですが、「プ」のときに口を閉じないと女性の「カ」のように聞こえてしまいますから要注意です。

丁寧語の「カ / クラップ」を付けないと、上から目線の尊大な感じに聞こえてしまうことがあります。仕事でタイ語を話すときはもちろん、市場などでお店の人に話しかけたりタクシーに乗ったりするときも「サワッディー・カ / クラップ」と丁寧に声をかけると礼儀正しさが伝わり、話もスムーズになります。変なたとえですが、知らない外国人がなれなれしい日本語でいきなり話しかけてきたら警戒しませんか? それと同じですから、よほど親しい友達などでなければ必ず「カ / クラップ」を付けて丁寧に話しましょう。

 

「サワッディーカ・カップ」を使うシチュエーション

次に、シチュエーションですが、「サワッディー」は朝・昼・晩いつでも使えます。便利ですね。また、夕方に退社するとき、日本では「お疲れ様でした」などと言いますが、タイ語は「サワッディー」で構いません。オンライン会議でも、入室時・退室時の両方で「サワッディー」と言います。「ラー・コーン(さようなら)」は、滅多に使いません。永遠の別れのように聞こえてしまうという理由ですが、日本人も同じですね。

タイ語が上達してきて「サワッディー」だけではそっけないと思ったら、合わせて好きな挨拶を加えてみてもいいでしょう。タイの人もいろんなことを言ってきます。出社時のポピュラーな挨拶としては「キン・カーウ・ルー・ヤン(もうご飯食べた)?」。ただの挨拶ですので、「まだです」と答えても何もくれません。「暑いね」など天気の話でもいいですし、「今日の服装かっこいいね」「髪切った?」などは万国共通の喜んでもらえる挨拶です。

 

「ワイ(合掌)」の作法

もう一つ、忘れてはならないのは、ワイ(合掌)です。「サワッディー」は口で言うだけでなく、同時にワイをするのが基本です。なお、ワイは、単に手を合わせればいいというものではなく、作法にきちんとした決まりがあります。

(1)手の合わせ方:手のひらをぴたっとくっ付けるのではなく、花のつぼみのように少し膨らませます。
(2)合掌する位置:手を合わせる高さによって敬意が異なります。基本は、以下の3種類となります。
・ 最上級のワイ:頭を下げ、合掌した親指を眉間に、人差し指を額にあてる。仏像・僧侶を拝むときなど。
・ 目上の人へのワイ:頭を下げ、合掌した親指を鼻先に、人差し指を眉間にあてる。父母・年上の親戚・先生など目上の人に挨拶するとき。
・ 一般的なワイ:合掌した親指を顎先に、人差し指を鼻先にあてる。同年代の人など。

観光地では、寺院見学も多いですから、やり方がわからないと少し戸惑ってしまいますね。
職場では、デスクワークの人はそれほどかしこまったワイをする機会はあまりないかもしれませんが、営業や接客業の場合は正しくできる方が断然有利です。
ワイは、目下の人から先にするのが礼儀です。自分が目上の場合、相手にワイをされたら返礼のワイをします。この場合は頭は下げず、胸の辺りで軽く手を合わせる程度で構いません。ホテルやレストランなどの店員さんにワイをされたときは、特にワイを返す必要はありません。

時に、ワイをするべきかどうか迷うこともあります。たとえば、自分よりずっと年配の運転手さんがよい仕事をしてくれたとき、「コープクン・カ / クラップ(ありがとう)」と言いますが、ワイはどうしようと悩むこともあります。日常ではそんな場面も多いですが、ワイをしてもしなくても、たとえ日本式のお辞儀でも、感謝の気持ちが相手に伝わればいいのです。ありがとうの気持ちが伝われば、きっと次も仕事を頑張ってもらえます。慣れないと難しいですが、実際に使いながら覚えていくのが一番です。タイの人のワイを日頃からよく見ておくようにすると、どんなワイが美しいのかもわかるようになってきます。

 

「サワッディー」の由来

余談ですが、「サワッディー」という言葉は、1931年にタイ語学者のプラヤー・ウパキットシラパサーンが考案した造語で、のちに公式な挨拶語となりました。まだ新しい言葉ですが、サンスクリットを基に作られていて格調高く、タイ全国の人たちに受け入れられ、親しまれる言葉となりました。
正しく美しい挨拶というのは、誰にとっても好ましく、日常を穏やかにしてくれるものです。ぜひ、挨拶上手な人を目指してみて下さい。

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