2023.07.20タイの文化

タイ料理③ 地方の名物を楽しもう

トムヤムクンやパッタイといったタイを代表する料理を満喫したら、ぜひ地方のおいしいものも味わってみましょう。タイの国土の北は山々に囲まれ、南はタイ湾とアンダマン海の幸に恵まれています。中国からの移民もいれば、マレーシアに接したムスリムの街もあります。このような多様性の中で生まれた地方料理は、独自の発展を遂げ、充実してきました。各地を旅行して食べられれば一番ですが、今ではバンコクでも地方料理の店を探すことができます。ここでは、北部、東北部(イーサーン地方)、南部の有名料理をご紹介します。

【北部】

主食はもち米。蒸されたもち米は、クラティップという竹製などの蓋付き籠に小分けされて提供されます。かわいらしい民芸品の籠ですから、インテリアとしても使えそう。
北部料理で有名なのは、カントーク・ディナー。カントークとは、竹などを編んだ脚付きの大きなお盆をいうのですが、その上にさまざまなおかずを並べたいわばラーンナー王国スタイルのセットメニューです。サイウア(北部のソーセージ)、ナムプリック・オーン(豚肉とトマトのディップ。ミートソースのような味)、ナムプリック・ヌム(青唐辛子のディップ)、ケップムー(豚の皮をカリカリに揚げたもの)など珍しい料理が一度に食べられます。チェンマイには伝統舞踊を観ながらカントークが楽しめるツアーがあり、観光客でも気軽に体験できるようになっています。
もう一つ忘れてはならないのは、カオソーイです。カレーうどんのような料理ですが、平麺と揚げ麺が入っており、二つの味が同時に楽しめます。代表的な具は、骨付きの鶏もも肉。ココナッツミルクの入ったスープが濃厚で、トッピングの漬物やライムがよく合います。現在、バンコクでもカオソーイの食べられる店は多くあります。店によって味付けも辛さもさまざまなので、情報収集してから足を運ぶのがおすすめです。

 

北部料理 カオソーイ

北部料理 カントーク

【東北部】

東北部(イーサーン地方)はタイで最も広い面積を占めていますが、ひでりが多くて農業にあまり適した土地とはいえず、比較的貧しい地域となっています。ですが、このイーサーンで生まれた数々の料理は、今やタイ全国の人に愛される大切な存在です。代表格は、何と言ってもソムタム(青いパパイヤの辛いサラダ)。タイ人にとっては「ふるさとの味」のようで、外国暮らしのタイ人が「ああ、ソムタム食べたい」と懐かしがっているのをよく聞きます。また、ピクニックのお供もなぜかソムタムのようで、わざわざ重たいクロック(ソムタムを和えるための石臼)から材料まで一式を持参し、海辺や河原でぽくぽくパパイヤを叩いている光景をよく見かけます。
ソムタムにもさまざまな種類がありますが、外国人でも食べやすいのはソムタム・タイ。唐辛子の量は言えば調整してくれます。主食は北部と同様にもち米で、鶏の丸焼き、魚の塩蒸し焼き、ラープ(ミンチ肉の和え物)などおいしいおかずがたくさんあります。バンコクでもイーサーン料理のチェーン店、レストラン、屋台は枚挙にいとまがありません。

東北部料理 ソムタム・タイ

東北部料理 ラープ

【南部】

タイ最南端はマレーシア国境ですので、料理に使われるスパイスはタイ中部の料理とはかなり異なります。特に、ターメリック(ウコン)がふんだんに使われるため、見た目が黄色い料理が多いですね。南部料理はタイで最も辛いといわれます。
代表的な料理は、クアクリン(激辛のドライカレー)、サトー豆と海老の炒めもの(辛いです)。白米と一緒に食べます。これらはよほど辛いもの好きの人でないと一口でギブアップしてしまいそうですが、実は、南部料理では珍しい葉もの野菜も色々食べられるのです。バイリエン・パット・カイは、バイリエンという濃い緑の木の葉をニンニクで炒めて卵とじにしたもの。木の葉を食べるなんて不思議ですが、なんとも柔らかでおいしいです。香辛料も入っていないので、都会のタイ人にも人気の料理です。
おすすめの一皿料理は、カオモックガイ。ターメリックライスにチキンを載せたムスリムの料理ですが、今ではバンコクのフードコートや専門店でも簡単に見つけられます。
南部といっても縦に長いので、どこでも同じというわけではありません。海沿いでは豊富なシーフードをたっぷり食べられますし、中国系の人の多い街では点心のおいしい店もあります。マレーシアの肉骨茶(バクテー)が食べられる地域もあります。

タイの食文化も地域によって多様性があり、豊かなもの。国内の各地を旅して、おいしいものを見つけるのも楽しみの一つですね。

クアクリン

バイリエン・パット・カイ

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