2024.02.19タイの文化

タイの猫に癒されたい!

タイでも猫カフェを楽しむ人が増えてきました。また、ペットとして、外国種のかわいらしい猫を愛する人たちもたくさんいます。ですが、タイ古来の猫たちのこともどうか忘れないで下さい。タイ猫の純血種は、今では希少な存在として保護されているのです。

タイ猫と聞いて、まず思い浮かぶのはシャム猫ですね。上品な毛並み、サファイアブルーの瞳、すっとした鼻筋……そんなシャム猫の気高さに魅了される人もいるでしょう。いわゆるシャム猫は、タイでは「ウィチエンマート」という名称で呼ばれています。ウィチエンマートは、かつて王室や貴族にしか飼うことが許されない高貴な猫でした。そしてラーマ5世(在位1868〜1910)の時代、日本では明治維新の頃ですが、タイから諸国への贈り物として海を渡ることとなります。1885年には、英国の猫のコンクールでウィチエンマートが優勝。以来、Siamese catと名付けられ、世界中で名を馳せるようになったのです。日本で「シャム猫」と呼ばれているのも、英名から訳されたからなのですね。

さて、あまり知られてはいませんが、タイ猫はウィチエンマートだけではありません。アユタヤー時代(1351〜1767)の文献によると、23種もの「タイ猫」が存在したそうなのです。縁起の良い猫が17種、不吉な猫が6種という分類がされており、絵も付いています。「痩せている」とか「孤独を好む」といった性質の猫が「不吉」に入っているのですが、猫に罪はないのにちょっとかわいそうですね。

しかし現在、タイ猫の大部分は純血種がいなくなってしまいました。今でも見られる種類は、コーンチャー、シーサワート(マーレート)、スパラック、そしてウィチエンマートの4種と、ラッタナコーシン時代(1782〜)になって発見されたカーオマニーという猫だけです。コーンチャーは黒猫、シーサワートはシルバーグレーの毛並み、スパラックは赤銅色の毛にイエローの瞳。カーオマニーはかわいらしい白猫で、瞳の色が左右異なりブルーとイエローの二色になっている個体もいます。

現存のタイ猫は、「タイ猫の家(タイ猫保護センター)」で見ることができます。この施設はサムットソンクラーム県アムパワー郡のメークローン川沿いにあり、バンコクから車で1時間半くらい。2001年、タイ猫を愛したプリーチャー・プッカブット氏が庭の一角を「タイ猫の家」として開放したのが始まりでした。プリーチャー氏の子供の頃は近所にたくさんウィチエンマート(シャム猫)がいて、自分の家でも飼っていたそうですが、徐々に数が減っていったのを危惧し、種の保存を目的に飼育するようになったのです。
2018年にプリーチャー氏が81歳で他界された後は、お子さんたちに引き継がれています。立派な屋舎や説明パネルもでき、かわいい猫グッズに囲まれたカフェ、ギフトショップもできていますので、猫好きの人はぜひ訪れてみて下さい。

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