2025.05.01

タイ進出

タイ市場でこれから売れる商品・注目業界6選|需要拡大の兆しと成長分野を解説

タイで今、どんな商品・サービスが求められているのでしょうか?
近年、タイでは中間層の拡大とともに個人所得が着実に伸び、消費行動が大きく変化しています。生活必需品にとどまらず、余暇、健康、美容、教育といった「生活の質(QOL)」を高める分野への支出が増え、多様な市場が成長の兆しを見せています。

本記事では、タイへの進出を検討している企業様に向けて、今後需要が高まると予測される商品・業界トレンドを解説します。

1. ペット産業:静かなるブームから「巨大市場」へ

ペットはタイ人の暮らしの中で“家族”としての存在感を急速に高めています。20年前は一部富裕層の趣味だったペット飼育も、今では中間層に浸透し、ペットフード・グルーミング・衣類・医療・保険までを含めた巨大産業に成長しています。
2021年時点でペット関連市場の規模は約446億バーツ(約1,784億円)とされ、2026年には667億バーツ(約2,668億円)に達する見通しです。【出典:JETRO https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2023/71ab5005d2cf6a0b.html
さらに、2025年の地震時には、ペット禁止のコンドミニアムに住む住人たちが避難時にペットを連れている様子がSNSやニュースで拡散されました。禁止物件であっても隠れてペットを飼う人が非常に多いことが明らかになり、ペット飼育の広がりを象徴する出来事となりました。
これにより、ペットフード、おもちゃ、洋服、キャリーケース、専用ベッド、香り付き消臭用品など「ヒト並み消費」を前提とした商品群のさらなる拡大が見込まれます。

2. 旅行・観光関連:消費単価の高い自由旅行層が成長

コロナ後の旅行解禁により、タイ人の国内外旅行が急増しています。とりわけ注目すべきは「日本旅行人気」で、2023年には日本からタイを訪れた人数を、タイから日本へ渡航した人数が上回ったという事実です。2024年のデータにおいても、訪タイ日本人の数が105万904人であるところ【出典:タイ国政府観光庁日本事務所ニュース】を、訪日タイ人観光客数が114万8848人【出典:日本政府観光局】と上回っています。
人口が日本の半分であるにもかかわらず、それ以上に日本へ出かける人が増えているというのは、タイ人の可処分所得と志向性の変化を表しています。
今後は、お土産や旅行グッズ、キャリーバッグ、快適さを追求したウェア類、アロマ、トラベルピローなど「旅行に付随する消費」が伸びると考えられます。また、タイ国内の観光地でもお土産需要が高まりつつあり、商品の品質向上やパッケージデザインの進化は今後の差別化ポイントとなるでしょう。

3. 高齢者・健康市場:介護から快眠グッズまで

高齢化が進むタイ社会において、介護商品や健康サポート機器への需要も着実に増加しています。特に注目されるのが、日本企業による参入です。車椅子のマツナガ社、介護用ベッドのパラマウントベッドは、現地介護施設・病院への導入を進めており、業績も堅調に推移しています【出典:https://th-biz.com/masuda-column-elderly-care/】。

一方で、高齢者のみならず健康意識を高める中間層向けに「快眠グッズ」「マッサージグッズ」「腰痛サポーター」などの“ウェルネス商品”の市場も広がっています。都市部ではドラッグストアやショッピングモールで、健康を訴求した雑貨が好調です。

4. IT・SaaS:業務効率を重視する企業が注目

労働人口の減少や人件費の上昇を背景に、業務の効率化を目的としたSaaS(Software as a Service)市場も拡大傾向にあります。
日本国内で成功しているSaaS系IT企業(例:freee、マネーフォワード、SmartHRなど)が、タイ市場での展開を模索しており、人事管理、販売管理、クラウド会計などの分野で新たなサービスが広がる兆しを見せています。
タイ企業側もDX(デジタルトランスフォーメーション)に前向きであり、日系SaaS企業にとっては好機となっています。

5. 一般消費財:まだまだ未開拓のジャンルがある

無印良品、ニトリ、IKEAなど、日本や北欧発のライフスタイルブランドが店舗展開を進めるなかで、「品質の良い日用品」への需要は根強く存在します。さらに、100円ショップ(ダイソー、Watts、CanDoなど)も進出が続き、都市部では「ちょっと良いものを安く買う」文化が定着し始めています。
この流れの中で、日本では一般的だが、まだタイに浸透していない生活雑貨・日用消耗品の持ち込みも今後のチャンスといえるでしょう

6. 教育・子ども市場:知育とSTEMがキーワード

タイの教育市場は、都市部を中心に学力重視・早期教育志向が強まりつつあります。中でも注目されるのが、STEM教育(科学・技術・工学・数学)知育玩具市場です。プログラミング教室や知育アプリ、ロボット教材、知能開発系のボードゲームなど、「遊びながら学べる商品」への関心は今後も高まるでしょう。
すでに一部のショッピングモールでは、学習塾と玩具店が一体化したショップが登場しており、今後もこうした複合型の教育商品・サービスが拡大していくと予想されます。

まとめ:拡大する「生活満足度消費」へ対応を

物価の安さと親日的な文化背景から、タイは長らく「ローコスト市場」として見られがちでしたが、現在は「ライフスタイルの質」に価値を見出す時代に突入しています。ペット・旅行・健康・教育など、生活の豊かさに直接関わる分野に消費が移行していることが明確になっています。
こうした消費構造の変化を理解し、日本で成功している商品やサービスをタイ仕様にローカライズして展開することが、今後の成長戦略の鍵となるでしょう。

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