2026.09.15

企業マネジメント

タイ豆知識

「ได้เลย(ダーイ・ルーイ)」は「できます」じゃない? 日タイですれ違う“OK”の感覚

タイで生活していると、本当によく聞く言葉があります。
「ได้เลยค่ะ/ครับ  (ダーイ・ルーイ・カ/カップ)」
「ได้(ダーイ)」は「できる」と習うので、日本人の感覚ではつい、「できます」=実行できることを確認した、約束したと受け取ってしまいがちです。

たとえば、
「明日の10時までに届けてもらえますか?」
「ได้เลยค่ะ!(ダーイ・ルーイ・カ)」
こう返ってきたら、日本人としては、
「10時までに届けてもらえることが確定した」
と思いますよね。

ところが、タイで暮らしていると、約束の時間になっても届かず、電話をしてみたら、
「ごめんなさい、渋滞で……」
と言われることも。
そんなとき、日本人としては、
「あれ? ได้เลยค่ะ (ダーイ・ルーイ・カ)って言ってたよね……?」
となります。

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「ได้เลย(ダーイ・ルーイ)」が招く誤解:タイ語の「OK」に込められた意味

でも、これは必ずしも「相手が嘘をついた」「約束を破った」という単純な話ではありません。
実際の会話で使われる ได้เลยค่ะ (ダーイ・ルーイ・カ)は、日本語の「できます」よりも、
「はい、いいですよ!」
「OKです!」
「わかりました!」
「もちろん!」
といった、相手のお願いをポジティブに受け止める言葉として使われることが多いからです。

つまり、
日本人:「できます」= 実行可能であることの確認・確約
タイ人:「ได้เลยค่ะ(ダーイ・ルーイ・カ)」= あなたのお願い、OKですよ!

この微妙な「言葉の重さ」の違いが、日タイのコミュニケーションですれ違いを生むことがあります。
日本人側は、
「できると言ったのだから、当然その条件で実行してくれると思っていた」。
一方、タイ人側は、
「そのお願いにOKと答えた」という感覚で、日本人が受け取るほど強い確約のつもりではないこともあります。
タイ語を日本語に直訳すると意味としては間違っていなくても、その言葉が持つ“重さ”まで同じとは限らないのです。
これは、タイで生活したり、一緒に仕事をしたりしていると感じる、面白さでもあり、難しさでもあります。
では、どうすればいいのでしょうか。

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日タイの異文化コミュニケーション:駐在員がすれ違いを防ぐ工夫とは?

筆者の経験では、仕事の納期や予約など、絶対に外せないことについては、「ได้เลยค่ะ」と返ってきただけで安心するのではなく、
「では、○日の○時までで確定ですね」
「遅れると納期に影響するので、必ずこの時間までにお願いします」
「渋滞もあるので、余裕を持って出発してくださいね」
など、重要な条件を具体的にもう一度確認しておくようにしています。

「分かっているはず」と考えるのではなく、お互いの認識を具体的な言葉にして合わせておくことが、すれ違いを防ぐコツです。言葉を知ることと、その国の人がその言葉をどんな感覚で使っているかを知ることは、また別の話です。「ได้เลยค่ะ(ダーイ・ルーイ・カ)」は、その違いがよく見えるタイ語のひとつです。

日本語なら「できます」と訳せますが、その一言に込められた“約束の重さ”まで同じとは限らないのです。
毎日のように使われる何気ない一言にも、日タイのコミュニケーション文化の違いが表れているのかもしれません。

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