2023.09.22タイの文化

花を食べる

透き通ったブルーのお菓子に、真っ青なもち米。タイでそんな色のお菓子を初めて見る人は、きっとびっくりするのではないでしょうか。きれいな色だけど、体に毒ではないのかしら……?

でも、安心して下さい。きちんとした店のお菓子なら、着色料は天然のものが使われているんです。青は、アンチャンの花の色。日本語ではチョウマメ(蝶豆)、英語ではバタフライピー(Butterfly pea)というマメ科の蔓草の花です。タイでは簡単に育つので、バンコクでもよく見かけます。花の色は、濃紺、薄紫、ピンク、白などがありますが、お菓子の青に使うのは濃紺の花の汁。カノム・チャン(二色の生地を重ねたういろうのような菓子)や、カオニャオ・マムアン(もち米マンゴー)の他、アンチャン・マナーオというドリンクにもなります。シロップで甘くしたアンチャンの青いドリンクにマナーオ(ライム)を絞ると、酸によって色が紫に変わるジュースなんです。スイーツだけでなく、料理のお米を青く染めることもありますし、花をそのままサラダに載せたり、唐辛子のディップをつけて食べたりもします。

ちなみに、アンチャンの花はシャンプーにもなります。髪に優しい天然素材で艶やかな黒髪をキープできる嬉しい製品です。スーパーなどで手軽に入手できます。
こんな風に、タイの美しい花々は鑑賞するだけのものではありません。食べられる花は驚くほどたくさんありますので、下にいくつかご紹介します。

バナナの花: バナナの花は、見たことがありますか? バナナはタイでは一年中採れ、品種も豊富。食べられない種類もありますが、荒れ地などにもすぐ生えてくるので、ちょっと気をつけていれば必ずどこでも花が見られます。
バナナの花は、よく、パッタイ(タイ風焼きそば)の付け合わせとして出てくるのですが、生のままのため、えぐみがあり、好き嫌いは分かれるかもしれません。ところが、火を通してヤム(和え物)やトートマン(かき揚げ風)にすると、信じられないくらいのおいしさになります。バナナの花はタイ語で「フワプリー」と呼びますが、本当は、花というより苞(ほう)の部分。苞の中に小さな花がたくさんあるんです。フワプリーそのものは、バナナ農園では有り余る副産物のようなもので、値段も安いのですが、料理に提供しているレストランはなぜか限られています。おすすめですので、見つけたらぜひオーダーしてみて下さい。

バナナの花(写真の右上)

ケーの花

ケーの花: シロゴチョウ(白胡蝶)というマメ科の木の花。5センチくらいの白い花が食用になります。食べるのは、開き切る直前の三日月形の蕾。おすすめの料理は、ケーンソム・ドークケーという、オレンジ色の香辛料を使ったスープです。こちらもレストランではなかなか見かけないのですが、ケーの花の柔らかな食感は病みつきになります。茹でて唐辛子のディップを付けて食べたり、衣を付けて天ぷらにしたりしてもおいしいですよ。

プルメリア、ブーゲンビリア、イクソラ: 観賞用の美しい花々ですが、プルメリアやブーゲンビリアまで食べられるなんて、びっくり。イクソラは、タイ語で「ケム」といい、花色は赤にピンク、黄色、白など多種ありますが、一番多く見かけるのは赤です。これらの花々は、天ぷらのように衣を付けて揚げた料理がおすすめ。高級レストランのメニューにあることもあります。いかにも「花」という花ですので、口に含むだけで優雅な気分になれます。

ブーゲンビリア(左)、プルメリア(右)

イクソラ

他に、珍しい料理として、ダーラー(トーチジンジャー)の花のサラダ、蓮の花で包むミヤンカム(ハーブや乾燥小エビを包んだオードブルのような料理)も。地方の観光地のレストランでシグネチャーメニューに花が使われていることもありますので、旅行の際には要チェックですね。

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