タイ、バンコクの駐妻は孤独? 100人と話して見えた海外帯同
100人に対面で聞いてみたくなったワケ
私は元々「人の気持ち」や「より良いを目指すこと」に関心があり、かつては世論調査の分析や海外進出日系企業現地従業員のモティベーション調査にも従事していました。心の声を数値化し、様々な事象が意識にどの程度どのように影響するかということを可視化することで、取るべき対応策が見えることに面白さとやりがいを覚えたものです。
好きで仕事に励んだ一方で、この間、結婚・不妊治療・出産・夫の異動・親の介護といった家族要因の影響を受けるようにもなり、「ワーク・ライフ」「ワーク・ファミリー」を我が事として考えるようにもなりました。
私自身は国際結婚で駐妻ではないですが、配偶者の関係で外国暮らしをしており、それに伴う制約も一定部分駐妻さんと共通するかと思います。また、2018年のバンコク日本人駐妻転落死発生時に大きな衝撃を受けて以来駐妻さんの内面に秘かに思いを馳せてもいました。加えて、令和の実態も反映した雇用統計や意識調査を眺めたときに、駐妻さんの「労働力」としての過去・現在・未来を想像して、その一人一人の胸の内にあるリアルな思いを直に聞きたくなったのです。
今どきより多くの標本を求めるならオンラインが簡便ですが、1人でもなりすましの「駐妻ではない人」が入るのを避けたく、対面式インタビューを選びました。また、人数は私が割ける時間内でなるべく標本誤差を抑えるために100人としました。そして、選択式設問に淡々と答えていただくよりもストーリーとして伺う方がいいように思われ、質問事項は100個用意しながらも、インタビュイーが語ることを優先して、時間の関係で聞きそびれる項目があってもよしとするスタイルを取りました。
実際に100人に聞いてみて
締切付きご依頼があり、42人分で中間発表的に取りまとめた際は割とさくっと書けました。しかし、50人を過ぎたあたりから、人数が増えれば増えるほど見えてきたことがあり、やはり100人にしてよかったと思う一方で、自分はとんでもないものに手を付けてしまったとも思いました。百人百様の物語を聞かせていただいたら、簡単になんて纏められない! 色々なものが溢れて溢れて、削れない。対面ではないアンケート形式の意識調査では、対象が何千人いてもテンプレートに則ってコンパクトにできましたが、対面式の100人インタビューではお一人お一人の声として思い出されることが多すぎて、書き出したら止まらず1回で既存のコラム数回分となるのが常となってしまいました。以下では、そんなコラムの見出しに加えて各回の概要を記します。
タイ駐妻100人インタ取りまとめコラムリスト
インタビューの動機と調査概要を示した初回。
“駐妻”という言葉に対して、インタビュイー自身が当事者になる前に思っていたことと、当事者になってから見えている姿や感じることについて纏めた第2回。
タイ駐妻100人インタ② となりの駐妻はキラキラ見える? ~想像と現実とSNS~
ネット上で見かける「駐妻“無能”論」を反証した第3回目。
タイ駐妻100人インタ③ 駐妻は「無能」? ~今どき駐妻の学歴・職歴~
キラキラにも悩みにも関係するお金の話を、バンコク名物JTCをフックに展開した第4回目。
「マウント」そのものよりも、「マウントと捉えられうる恐怖」の悩ましさについて考えた第5回目。
タイ駐妻100人インタ⑤ バンコク駐妻マウント考
解像度が高まったところで改めて “駐妻”の定義を考えてみた第6回目。
渡タイ後のメンタルについて、孤独の要因や駐妻転落死への思いも交えて深堀りした第7回目。
落ち込んだ気分回復のきっかけとしてバンコクでの選択肢・活動を紹介した第8回目。
“駐妻”にとっての居場所について考え、夫にできることやバンコクでの人づきあいのヒントを紹介した第9回目。
タイ駐妻100人インタ⑨ 残ったのは「夫大事」と「友達大事」
100人からの声をそのまま載せた最終回。
タイ駐妻100人インタ⑩ 新たに帯同するあなたへ~先輩駐妻さんたちからのメッセージ
むすびにかえて
今回の一連のインタビューでは、「タイ駐妻」と銘打ち、そこに拘りましたが、現代日本社会の縮図を見た気にもなりましたし、「タイ」や「駐妻」といった要素抜きの根源的・普遍的なことに通じると思ったことも多々ありました。私自身、人事領域に携わる人間としてだけでなく、妻として、母として、娘として、人として、様々な角度から物事を見て考え、気付きを得て、時に悔い改めもする貴重な機会になりました。
どんなにタフな人でも、どんなに能力の高い人でも、また、日本人にとって比較的住みやすい街と言われるバンコクでも、駐妻には「孤独」に陥りやすい要因やシリーズ初回に引用したように「独特の悩み」があることが確認されましたが、一方で、それを和らげたり克服したりするためのヒントもいくつか見えました。特に最終回で、3人に1人は「楽しい」ということに言及されていて、短いメッセージでもこの間のご本人の心の動きや、顔の見えない仲間に対する励ましも見えて、光を感じました。多くの文字数を費やしてもなお、盛り込めなかったことの方が多いのですが、今回綴らせていただいたことが、帯同配偶者をはじめ、駐在員、日系企業関係者等のより良い生活や活動に多少なりとも参考になりましたら幸いです
関係した皆様への感謝
末筆ながら、このインタビューに応じて下さった100人の駐妻さんをはじめ、私の募集や関係投稿を「いいね」や拡散等の形で応援して下さった方々、国際結婚組や現地採用その他を含め、タイの内外から激励や協力のお申し出等を下さった方々、皆様ありがとうございました。
インタビュイーへの謝礼品につきましては、私の呼びかけに快く応じてくださり、チェンライ産のつやつやふっくら秋田小町はサイトウフーズの斉藤様ご夫妻から、味わい豊かなルイボスティーのセットはDeeDee Consultingの宮本様から、マッサージ・スパの割引券はat easeの上野様から各100人分ご提供いただきました。また、コーリン鉛筆の井口様におかれては、発色豊かな色鉛筆のご提供に加えて、このインタビューは委託調査ではなく私が個人的に実施していると知って、インタビュー場所の利用料も出してくださいました。改めて、「タイ駐妻100人インタビュー」に関心を寄せ、応援して下さった皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
<本記事はチャオプラヤー・タイムズ タイ、バンコクの駐妻は孤独?100人と話して見えた海外帯同を許可を得て引用・転載しております。>
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