2023.08.14タイの文化

子育ても微笑みの国

現在、日本では少子化が重大な社会問題となっていますが、ここタイでも他人事ではありません。タイ人のライフスタイルも変化し、平均的な結婚年齢も高くなっていますし、独身のまま仕事を続ける女性もたくさんいます。物価は高騰する傾向にあり、養育や教育にかかる費用も決して安くありません。
そんな中でも、実際に子育てをしている人たちを見ると、とても幸せそうです。スクムウィット界隈では小さい子をお持ちの日本人も多く見かけますが、タイで子供を生んでよかった、タイで子育てできて幸せという話をよく聞きます。では、日本と比べてどんな点が幸せなのか、一部だけではありますが具体例を交えて紹介していきますね。

 

1. 思いきり、かわいがる
こんな話を聞きました。ある日本人がバンコクで出産。タイ暮らし初心者なのに子連れ外出なんて、とびくびくでしたが、勇気を出してベビーカーや抱っこ紐をたずさえ、電車に。すると、次々「ばぁ」とあやされ、ほっぺたをちょんと突つかれて大スターのよう(コロナ前でしたので)。赤ちゃんの名前を聞かれたり、微笑みかけられたり「こんな人気者になれたのは生まれて初めて!」という素敵な体験ができたそうなんです。
おかげで「ジャ・エー(いないいないばあ)」というタイ語を真っ先に覚えてしまったとのこと。帰りもタクシーに乗ろうとしたら、近くにいた人が車を停めて手伝ってくれたそうです。赤ちゃんを抱いて大荷物だったので本当に助かった、とおっしゃっていました。
赤ちゃんがいたら、知らない人にでもどんどん話しかけてくれるなんて、なんだか嬉しいですね。日本の都会の電車では、ベビーカーは迷惑がられるかしら、泣いたらどうしよう、と気をつかってしまうこともありますが、周りの人が皆で支えて助けてくれる社会なら安心です。

 

2. 子連れ優先の習慣
同じく電車の話ですが、譲り合いの精神が生きています。妊婦さんや赤ちゃん連れの人はもちろん、小さな子供が立っていたら手招きして座らせてくれる人もたくさんいます。中高年の方が小学生に席を譲っているのを見ると「あれ?」と思ってしまいますが、昔のバンコクには電車がなく、バスは運転が荒くて危険だったので、子供を座らせるのはその時代の名残なのでしょう。現在では、スマホに夢中で他人を気づかう余裕のない人もいますが、それでも優しく譲ってくれる人がたくさんいることにほっとします。
レストランやカフェも行きやすいですよ。日本ではファミレスなどに限られてしまうのかもしれませんが、タイでは基本的にどんな店でも子連れで断られることはなく、ホテルのブッフェに抱っこ紐のママさんグループが集っていることもよくあります。なじみのレストランなどでは店員さんが赤ちゃんを抱いてくれたりするので、友達とゆっくり食事することも。息抜きのできる場所があるのは嬉しいですね。日本では、子供が騒いでレストランを追い出されたという話も聞いたことがありますが、タイでは逆に店員さんがあやしてくれる方が多いかもしれません。マナーは守りつつ、温かい人たちの厚意にも甘えて子育てができれば幸福感アップ。タイの飲食店事情も昔とは変わってきていますが、こうした思いやりはいつまでもあってほしいですね。

 

3. 妊娠・出産についてオープン
タイの人たちの出産・子育てのことで非常に参考になるのは、概してオープンだということ。日本人の感覚ではギョッとしてしまうような話をあっけらかんと喋ってくれることもあります。性や妊娠のこともオープンに情報交換して、自分一人で悩まずに済むのはかなり心強いです。おそらくですが、子供は社会全体の財産という考えが浸透しているのではないでしょうか。
タイは保育園も少なく、おむつ替え台などの設備も日本ほど整っていないので、ハード面では恵まれた環境というわけではないのですが、周りの人たちの理解や親切など、ソフト面の良さに助けられることがよくあります。安心して子供の生める社会を作るには、他人の子育ても応援するという基本的な思いやりが実は一番大事なのかもしれません。

 

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